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■周回数やクリア特典の基礎
(更新:2024/05/13)


周回数とクリア特典について解説します。


ショートカット
■周回数とクリア特典について
■周回数の基礎
■クリア特典の基礎
■セーブファイル「System.sav」について


  
■周回数とクリア特典について

周回数とは一度エンディングまでクリアしたあとに、もう一度最初からゲームをプレイする事を言います。

基本的に1周目とは異なる条件でプレイする事ができるものを「周回数」と言うため、
単にタイトル画面へ戻って1周目と同じ内容で再びゲームを始める事を「周回数」とは言いません。



クリア特典とは何らかの条件をクリアした時に出現するものを言います。

周回数と同様にエンディングまでクリアすると特典が発生するものもありますが、
ゲームの途中で一定の条件(敵を100体倒すなど)をクリアすると、特典が出現する場合もあります。



以下は周回数やクリア特典の導入例です。

●クリア時の主人公のレベルなどが2周目に引き継げる

1周目をクリアした時の強い主人公の状態で2周目を始める事ができます。
ほぼ全ての物を引き継ぐ事ができるようにする事もできますが、
引き継げる物を限定して「多少2周目が楽になる」と言った程度の引き継ぎにする事もできます。

引き継げる物 引き継いだ場合の効果
パラメータ 1周目のクリア時のレベルや攻撃力がそのまま引き継げる設定にすると、
2周目の序盤はほぼ無敵状態となり、スムーズにプレイする事ができます。
最初からいる主人公のみのパラメータが引き継げて、
あとから仲間になる主人公のパラメータは初期状態に戻るパターンもあります。
特殊技能 2周目では最初から強い特殊技能を使う事ができます。
主人公のパラメータが初期状態に戻る場合は、SP量が少なくなるため、
序盤から強い特殊技能をガンガン使っていくような戦法は使えなくなります。
装備 1周目をクリアした時の装備のままで2周目を開始します。
主人公のパラメータが初期状態に戻る場合でも装備品が強いため、
2周目の序盤はかなりスムーズにゲームを進める事ができるでしょう。
所持しているだけの装備品は2周目には引き継げず、
1周目をクリアした時に装備していた物だけが2周目に引き継げる場合は、
何を装備して1周目をクリアするのかを考える必要があります。
最後のボスを倒した後に装備の変更ができない場合は、
最後のボスを倒す事ができる装備にしておく必要があり、
「性能は低いがあると便利な装備品」を2周目に引き継ぐ事が難しくなります。
所持品 回復アイテムや装備していない装備品などを2周目に持っていく事ができます。
主人公のステータスが全て初期状態に戻り、所持品のみが引き継げる場合は、
最後のボス戦で強い装備品をあえて装備せずに持っていて、
2周目で最初から装備させて使うと言った攻略法が使えます。
ボスを倒すと貰えるアイテムを最初から持っていると、
ボスを倒していないのにボスを倒した事になってしまうような矛盾が発生します。
ストーリーの進行で重要なアイテムは、
2周目の開始時には外しておいた方が良いでしょう。
所持金 アイテムなどが引き継げず、所持金のみが引き継げる場合は、
1周目のクリア前に出来る限り要らない物を売っておく攻略法が使えます。
逆に所持金が引き継げず、アイテムなどは引き継げる場合は、
出来る限り売ったら高くなるアイテムや装備品を買って1周目をクリアすると、
2周目でアイテムや装備品を売って、所持金を増やす攻略法が使えます。
●2周目以降は敵が強くなる

1周目よりも敵の攻撃力が上がったり、敵の数が増えたりする設定です。

敵の強さはそのままで、主人公のHPや攻撃力を少なくしたり、
レベルアップ時のパラメータの増加量が少なくしたり、
回復アイテムの効果が弱くしたりする設定もあります。

ゲームの難易度が設定できる場合は、
ノーマルモードをクリアするとハードモードが出現するパターンもあります。
●1周目と2周目でイベント内容(シナリオ)が変わる

1周目とは謎解きイベント(攻略法)が変わったり、1周目には無かったセリフが表示されたり、
仲間と出会うタイミングが違っていたりと、1周目とは異なるゲーム内容にする設定です。

「2周目」では無く、「裏シナリオ」が遊べるパターンもあります。

裏シナリオとは主人公が行動している裏で行動していた者のストーリーです。
例えば敵側の視点で描いたストーリーや度々登場していた謎のキャラクターのストーリーなどです。
主人公や仲間の過去の出来事(エピソードゼロ)が楽しめる場合もあります。
●タイトル画面に「おまけ」の選択肢が増える

タイトル画面の選択肢に「おまけ」が追加される設定です。
おまけの内容は様々あり、例えばゲーム中に表示されたイラストを見る事ができたり、
作者コメントや制作の裏話を見る事ができたり、ゲーム中に登場したミニゲームを遊ぶ事ができたり。
●2周目以降で使える機能やアイテムが増える

セリフのスキップ機能やマルチエンディングの分岐点を知らせる表示など、
1周目には無かった機能が使えるようになるパターンです。

2周目が始まる時に、クリア特典のアイテムを所持するパターンもあり、
例えば強い装備品を手に入れたり、使うと攻撃力などのパラメータが上昇するアイテムを手に入れたり、
2周目でないと入れない建物のカギを手に入れるパターンもあります。


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■周回数の基礎

基本的には1周目をクリアしたらタイトル画面に戻り、2周目を開始する流れになります。

タイトル画面へ戻る方法には、
イベントコマンド【場所移動】を使う方法と、
イベントコマンド【タイトル画面へ戻る】を使う方法があります。

▼【場所移動】を使ってタイトルに戻る

1周目をクリアしたあとにイベントコマンド【場所移動】を使ってタイトル画面のマップへ戻り、
そして「スタート」を選択して2周目を始めます。

この方法の場合は、主人公のステータスや所持アイテムなどを2周目に引き継ぐ事ができます。

【【場所移動】でタイトル画面に戻って2周目を開始のページを開く】
▼【タイトル画面へ戻る】を使ってタイトルに戻る

イベントコマンド【タイトル画面へ戻る】を使ってタイトル画面に戻ると、
主人公のステータスや所持アイテム、変数の値などが全てゲーム開始時と同じ状態になります。

そのため、ゲーム開始時とほぼ同じ状態で2周目を開始したい時には便利な方法です。

通常変数[1:周回数]などの情報を2周目に引き継がせる場合は、
【タイトル画面へ戻る】を実行する前にセーブデータに情報を保存しておき、
【タイトル画面へ戻る】の実行後にセーブデータから情報を読み込む処理が必要になります。

上記の「▼【場所移動】を使ってタイトルに戻る」よりはイベント設定が難しいです。

【【タイトル画面へ戻る】でタイトル画面に戻って2周目を開始のページを開く】



2周目のプレイする時に、1周目とはセリフなどが変わる場合は、通常変数「周回数」を準備して、
通常変数「周回数」が「1以上」の時には、2周目用のセリフが表示されるようにすると良いでしょう。

2周目でマップの内容が大幅に変わる場合は、2周目用のマップを用意して、場所移動の時に…
通常変数「周回数」が「0」1周目用のマップへ移動
通常変数「周回数」が「1以上」2周目用のマップへ移動
と移動先を変えると、1周目で2周目のイベントが実行するような不具合が発生しなくなります。

2周目で敵キャラが強くなる場合は、例えば…
1周目=敵グループ「0〜99」
2周目=敵グループ「100〜199」
などと設定しておき、通常変数「周回数」が「1以上」の時には強い敵が出現するように設定します。

【2周目で敵キャラを強くする方法を見る】


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■クリア特典の基礎

クリア特典の処理では、特典が出現するかどうかを特典保存用のセーブデータを準備します。

特典保存用のセーブデータは、新規でセーブ番号[99]などを作成する方法もありますが、
セーブファイル「System.sav」を利用する方法もあります。



クリア情報を保存する変数は、予備変数[9]を使用すると良いでしょう。





クリア特典を保存するセーブデータの保存や読み込みは、通常の「保存・読込」は使わず
各セーブデータの内容読み書き」や「セーブデータへの書き込み」を使って行います。



保存・読込」を使わない理由は、例えば…
予備変数[9-0:ルート1クリア]
予備変数[9-1:ルート2クリア]
と言った設定があった時に、ルート1をクリアして「保存・読込」でセーブした場合…
予備変数[9-0:ルート1クリア]=1
予備変数[9-1:ルート2クリア]=0
と保存されます。

そして初めからプレイしてルート2をクリアして「保存・読込」でセーブした場合…
予備変数[9-0:ルート1クリア]=0
予備変数[9-1:ルート2クリア]=1
となり、ルート1をクリアした情報が消えてしまいます。

保存・読込」を使わずに「セーブデータへの書き込み」でセーブした場合は…
ルート1をクリア → 予備変数[9-0:ルート1クリア]=1
ルート2をクリア → 予備変数[9-1:ルート2クリア]=1
と言ったように、指定した変数の値のみを変える事ができるので、
複数のクリア情報を保存する事ができます。



クリア特典のセーブデータへの保存は…
【イベントコード表示(セーブデータ[99])】【イベントコード表示(セーブデータ[System])】

■セーブデータに書き込み:セーブデータ[99]の V9-0[クリアした] = 1
と言った形でセーブします。

クリア特典の情報を確認する時には…
【イベントコード表示(セーブデータ[99])】【イベントコード表示(セーブデータ[System])】

■セーブデータの内容読込: V9-0[クリアした] = セーブデータ[99]の V9-0[クリアした]
と言った形でクリア特典の情報を読み込みます。



数値を変更するような処理を実行する場合は…
【イベントコード表示(セーブデータ[99])】【イベントコード表示(セーブデータ[System])】

■セーブデータの内容読込: V9-0[ミニゲームプレイ回数] = セーブデータ[99]の V9-0[ミニゲームプレイ回数]
■変数操作: V9-0[ミニゲームプレイ回数] += 1 + 0
■セーブデータに書き込み:セーブデータ[99]の V9-0[ミニゲームプレイ回数] = V9-0[ミニゲームプレイ回数]
と言ったように、一度セーブデータから情報を出力して、数値を変更した上で再び保存し直します。



マルチエンディングで、複数のルートのクリア情報を保存したり、
ミニゲームのクリア情報を保存したりする場合は、クリアする内容ごとに変数を用意してください。





ルート2をクリアした時の保存設定は以下のとおりです。

【イベントコード表示(セーブデータ[99])】【イベントコード表示(セーブデータ[System])】

■変数操作: V9-2[クリア:ルート2] = 1 + 0
■セーブデータの内容読込: V9-1[クリア:ルート1] = セーブデータ[99]の V9-1[クリア:ルート1]
■セーブデータの内容読込: V9-3[クリア:ルート3] = セーブデータ[99]の V9-3[クリア:ルート3]

■変数操作: V9-0[クリアしたルート数] = V9-1[クリア:ルート1] + 0
■変数操作: V9-0[クリアしたルート数] += V9-2[クリア:ルート2] + 0
■変数操作: V9-0[クリアしたルート数] += V9-3[クリア:ルート3] + 0

■セーブデータに書き込み:セーブデータ[99]の V9-0[クリアしたルート数] = V9-0[クリアしたルート数]
■セーブデータに書き込み:セーブデータ[99]の V9-2[クリア:ルート2] = 1



★補足

ウディタ[3.13]以前の古いバージョンでは「セーブデータへの書き込み」でセーブすると、
システム変数[25:現在セーブデータ番号(0〜)]のセーブ番号が更新されていました。

そのため、例えば「セーブデータへの書き込み」でセーブ番号「99」に保存する場合は、
セーブ後にシステム変数[25:現在セーブデータ番号(0〜)]の値を元のセーブ番号に戻す処理が必要でした。

【イベントコード表示】

■変数操作: このEvのSelf0 = Sys25:現在セーブデータ番号(0〜) + 0
■セーブデータに書き込み:セーブデータ[99]の V1-0[] = 1
■変数操作: Sys25:現在セーブデータ番号(0〜) = このEvのSelf0 + 0

現行のバージョンでは「セーブデータへの書き込み」で…
■セーブデータに書き込み:セーブデータ[99]の V1-0[] = 1
を実行しても、システム変数[25:現在セーブデータ番号(0〜)]が「99」になる事はありません。


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■セーブファイル「System.sav」について

セーブファイル「System.sav」はウディタでセーブを実行すると、自動的に作成されるセーブファイルです。





このセーブファイル「System.sav」にはシステム変数[25:現在セーブデータ番号(0〜)]の値を保存しています。

保存されたシステム変数[25:現在セーブデータ番号(0〜)]の値は、
新規でゲームを始めた時にコモンイベント[048:X[共]基本システム自動初期化]にて読み込まれます。

そしてシステム変数[25:現在セーブデータ番号(0〜)]の値が「1以上(セーブデータ有り)」の場合は、
タイトル画面の選択肢で最初に「コンティニュー」が選択されるようになります。
(セーブデータが無い場合は最初に「スタート」が選択されます)



システム変数[25:現在セーブデータ番号(0〜)]の値は、
セーブファイル「System.sav」通常変数[0]に保存されています。

セーブファイル「System.sav」通常変数[0]以外は使用していないので、
通常変数[0]以外は自由に使う事ができます。

但し、今後のウディタのバージョンアップで通常変数[0]以外が使用される可能性があるため、
心配ならばセーブファイル「System.sav」を使わずに、
クリア特典の情報はセーブ番号「99」に保存すると良いでしょう。


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◎関連ページ

◆周回数やクリア特典の基礎
┣◆周回プレイ:【場所移動】でタイトル画面に戻って2周目を開始
┣◆周回プレイ:【タイトル画面へ戻る】でタイトル画面に戻って2周目を開始
┣◆サンプルゲームを周回数化してみる
┗◆クリアしたらタイトル画面で「おまけ」が選択できるようにする

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