WOLF RPGエディター(ウディタ)[3.663]/基本システム【サイトトップへ戻る】
■「基本システム」って何?
(更新:2025/11/15)


ウディタの「基本システム」について解説します。


ショートカット
■基本システムとは?
■コモンイベント内の処理について
■コモンイベント名の一覧表示のルール
■改造は全て自己責任!古いコモン素材の使用も全て自己責任!
■補足


  
■基本システムとは?

基本システムは、ウディタに最初から用意されているRPG用のシステムの事を言います。
この基本システムを使う事で、すぐにRPGの制作を始める事ができます。



▼基本システムを使う場合と使わない場合の比較表

以下は基本システムを使う場合と使わない場合を比較したものです。

基本システムを使用 基本システムを未使用

ゲームを開始すると、自動的に初期パーティ
で設定した主人公の歩行グラフィックが表示
されます。
またキャンセルキーを押すと、
メニュー画面が表示されます。
ゲームを開始しても、自動的に主人公の
歩行グラフィックは表示されません。
またキャンセルキーを押しても、
メニュー画面は表示されません。
もしもメニュー画面を表示したい場合は、
メニュー画面を自作する必要があります。

【文章の表示】を実行すると、
文章の表示と共に自動的に文章ウィンドウ
が表示されます。
また顔グラフィックの表示設定を行うと、
自動的に顔グラフィックが表示されます。

【文章の表示】を実行すると、
文章は表示されますが、
文章ウィンドウは表示されず、
また顔グラフィックの表示設定を行っても
顔グラフィックは表示されません。

RPG用の戦闘の処理が用意されています。
また一定の歩数を歩くと敵グループが
出現するエンカウントの設定もあります。

戦闘の処理やエンカウントの処理は
全て自作する必要があります。
他にも様々な機能が用意されています。
◆主人公の能力値などを保存。
◆アイテム、装備品、お金の所持数を保存。
◆アイテムや特殊技能を使った時の処理。
◆お店の処理。
左に書かれている処理は、
全て自作する必要があります。



▼基本システムの処理の流れ

基本システムでは、まずユーザーDB可変DBのデータベースに主人公やアイテム、敵キャラなどの情報を設定します。

そしてコモンイベントでデータベースの情報を読み取り、ゲーム画面上(メニュー画面や戦闘画面など)に表示します。
【コモンイベントに関する説明を見る】
【データベースに関する説明を見る】

例えばメニュー画面にある主人公の名前を表示する場合は、
可変DB[0:主人公ステータス]項目[0:キャラ名]にある名前の文字列を読み取り、
コモンイベント[090:X[移]キャラクター欄描画]241行目【ピクチャ表示】でゲーム画面上に名前を表示します。



ちなみにコモンイベント[090:X[移]キャラクター欄描画]241行目【ピクチャ表示】の設定画面を開き、
カラー設定を「100、100、0」に変えると、メニュー画面に表示される主人公の名前を黄色に変える事ができます。



▼改造後のメニュー画面


ウディタでは、コモンイベントの内容を改造して、オリジナルの機能を追加する事ができます。

自力で改造するのが難しい場合は、ウディタ公式サイトにある「コモンイベント集」を利用する事で、
比較的簡単に改造する事ができます。



▼ユーザーDB、可変DB、コモンイベントを全てオリジナル設定にする事も可能

初期設定のメニュー画面や戦闘の処理などを全く使わないゲームを作る場合は、
ユーザーDB可変DBコモンイベントの設定を全て削除して、全てオリジナルの設定に作り変えても問題ありません。

例えばYADOのゲーム作品『病原体』や『ニナと会話』のユーザーDB可変DBコモンイベントは、
全てオリジナルの設定になっています。

▼『ニナと会話』のコモンイベント


▼『ニナと会話』のユーザーDBなども独自の設定です。


なお、データベースやコモンイベントを全て削除する制作方法は、
ウディタの使い方を熟知した上級者向けの作り方なので、ウディタが使い慣れていない方には、お勧めできません。


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■コモンイベント内の処理について

基本システムのコモンイベントは、大きく分けて4つのグループに分かれています。

■イベントコマンド【イベントの挿入】を使って実行するコモンイベント

イベントコマンド【イベントの挿入】を使ってコモンイベント[000〜039]を呼び出して実行します。

▼イベントコマンド【イベントの挿入】の設定画面(コモンイベント[000:○アイテム増減]を呼び出す設定)


コモンイベント[000〜039]にはアイテムを増減する処理、パーティメンバーの入れ替える処理、
お店の売買処理、戦闘の処理など、RPGゲームを作るのに必要な様々な機能が用意されています。

ウディタ初心者の方は、コモンイベントに関しては、
コモンイベント[000〜039]を呼び出すと、様々な機能が使える」だけを覚えておけば良いでしょう。
■マップ移動時・戦闘時に共有して使用するコモンイベント

コモンイベント[048〜067]の処理です。

マップ移動時も戦闘時も使用する処理です。

例えばイベントコマンド【文章の表示】を実行すると、
自動的に文章ウィンドウや顔グラフィックが表示される処理などがあります。



必要に応じて自動的にコモンイベントが処理されるため、改造する時以外は何も触らなくて良いです。
■マップ移動時に使用するコモンイベント

コモンイベント[070〜132]の処理です。

マップ上でキャンセルキーを押すと、メニュー画面が表示されます。



必要に応じて自動的にコモンイベントが処理されるため、改造する時以外は何も触らなくて良いです。
■戦闘時に使用するコモンイベント

コモンイベント[028-031]、コモンイベント[037]、コモンイベント[135〜206]の処理です。



指定した敵グループと戦う場合は、
コモンイベント[028:◆バトルの発生]を呼び出して戦闘を実行します。

エンカウントで敵グループと戦う場合は、
コモンイベント[037:◇ランダムエンカウント処理]を呼び出して戦闘を実行します。

必要に応じて自動的にコモンイベントが処理されるため、改造する時以外は何も触らなくて良いです。



コモンイベントの設定画面にはたくさんのコモンイベントが設定されていますが、
これは処理内容ごとに細かく分かれているため、たくさんのコモンイベントが設定されています。

例えばコモンイベント[108:X[移]キャラクター欄_選択実行]の場合は、メニュー画面で主人公を選択する時に使います。

コモンイベント[108:X[移]キャラクター欄_選択実行]が実行するタイミングは以下のとおりです。
●メニュー画面の選択肢で「装備」を選択した時に「誰の装備変更を行うのか」を選択する時に実行。

●メニュー画面の選択肢で「特殊技能」を選択した時に「誰の特殊技能を使うのか」を選択する時に実行。

●回復系の特殊技能やアイテムを使う時に「誰に使うのか」を選択する時に実行。

▼アイテムの使用者を選択


このように主人公の選択に特化したコモンイベントを用意する事で、プレイヤーに主人公を選択してもらいたい時には、
コモンイベント[108:X[移]キャラクター欄_選択実行]を呼び出すだけで、主人公の選択処理が自動的に実行されます。

またコモンイベント[108:X[移]キャラクター欄_選択実行]を改造するだけで、主人公を選択する画面を改造する事ができます。


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■コモンイベント名の一覧表示のルール

コモンイベントの画面左側にはコモンイベントの名前の一覧が表示されています。





コモンイベント名の表示色には一定のルールがあります。

表示色 コモンイベントの役割
コモンID[000〜039]はゲーム制作者が基本システムの機能を利用する時に、
イベントコマンド【イベントの挿入】を使ってコモンイベントを呼び出して使用します。
---------------------------------」のような仕切り線や、
コモンID[209]以降にある重要ではないコモンイベントでもこの色が使われています。
赤色 ゲーム制作者が戦闘中にオリジナルのイベント処理を設定したい時に使います。
コモンID[208]には説明書や更新履歴などが記載されています。
青色 初期設定では使われていません。
コモン素材を読み込んだ時に、コモン素材のコモンイベントである事を分かりやすくする時に、
この色が使われている事があります。
緑色 初期設定では使われていません。
コモン素材を読み込んだ時に、コモン素材のコモンイベントである事を分かりやすくする時に、
この色が使われている事があります。
紫色 起動条件が「並列実行(常時)」になっているコモンイベントです。
黄色 主に画像表示に関わる処理が設定されているコモンイベントです。
画像表示に関する改造を行う時には、この色のコモンイベントを改造します。
グレー 計算処理などを行うコモンイベントです。
薄赤
薄青
薄緑
ピンク
橙色
初期設定では使われていません。
ウディタ[3.380]で追加された色です。
この追加された色を設定したコモンイベントの出力ファイルを
ウディタ[3.380]以前のウディタに読み込んだ場合は「」になります。



名前の表示方法には、一定のルールが存在します。

名前に付く記号 コモンイベントの表示例 イベントの設定内容
000:○アイテム増減 主に可変DBの設定を変更する時に、
イベントコマンド【イベントの挿入】で呼び出して使います。
017:▲アイテム所持数取得 主に可変DBに保存された情報を取得する時に、
イベントコマンド【イベントの挿入】で呼び出して使います。
◆ ◇ 028:◆バトルの発生
037:◇ランダムエンカウント処理
戦闘の処理に関するコモンイベントです。
イベントコマンド【イベントの挿入】で呼び出して使います。
【1】【2】【3】 033:【1】お店 初期化 お店に関するコモンイベントです。
イベントコマンド【イベントの挿入】で呼び出して使います。
X 048:X[共]基本システム自動初期化 名前に付く「X」は「バツ」を意味しており、
このコモンイベントは下手に改造しない方が良い
と言った意味合いがあります。
[共] 048:X[共]基本システム自動初期化 マップ移動中と戦闘中の両方で使用します。
[移] 070:X[移]パラメータ増減 マップ移動中のみで使用します。
[戦] 135:X[戦]パラメータ増減 戦闘中のみで使用します。


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■改造は全て自己責任!古いコモン素材の使用も全て自己責任!

基本システムのデータベースやコモンイベントを改造する事で、オリジナルのシステムを作る事ができますが、
基本システムの改造は全て自己責任になります。

「改造方法が分からない」
「改造したけどうまく動かない(エラーが発生する)」
「コモン素材を組み込んだがうまく動作しない(使い方が分からない)」

など、改造に関するトラブルは全て制作者の自己責任となり、制作者が自力で解決していく必要があります。

基本システムの改造はイベント構造を理解した上で行ってください。

また改造する前には必ず作品データのバックアップを残してから改造を行ってください。



▼コモン素材を導入する時の注意点

コモン素材を導入する場合は、コモン素材の公開日(更新日)に注意してください。

公開日(更新日)の古いコモン素材の場合は、最新のウディタでは正常には動かない可能性があります。

特に以下の5つの年月日以前に作られたコモン素材を使う場合は、注意してください。

注意する年月日 古いコモン素材を使う場合の注意点
2011年10月27日 この日にウディタ[2.00]が公開されました。

ウディタ[2.00]以前からデータベースやコモンイベントなどが大幅に変更しているため、
2011年10月27日以前に公開されたコモン素材を使う場合は、
何らかの修正が必要になる可能性が高いです。
2017年3月22日 この日にウディタ[2.20]が公開されました。

ウディタ[2.20]以前はゲーム画面のサイズが3つしかなく、
またゲーム画面のサイズごとにタイルのサイズが決められていました。
画面サイズ タイルのサイズ
320×240[x2] 16×16
640×480 32×32
800×600 40×40

ウディタ[2.20]以降では新しいゲーム画面のサイズが追加され、
ゲーム画面のサイズに関係なくタイルのサイズが選べるようになりました。

画像を表示するタイプのコモン素材では、コモン素材の修正が必要になる可能性があり、
特にウディタ[2.20]以前には無かった[16:9]のゲーム画面比率で使用する場合は、
コモン素材の修正が必要になる可能性が高くなります。
2022年11月22日 この日にウディタ[3.00]が公開され、同日にプロ版も登場しました。

プロ版ではゲーム画面のサイズが任意で変えられますが、
古いコモン素材では任意のゲーム画面のサイズには対応できない可能性があります。
ウディタ[3.00]から初期設定のフォントが「MS ゴシック」から「Meiryo」に変わりました。

「MS ゴシック」と大きく違う点は、
「MS ゴシック」は「全角1文字=半角2文字」でしたが、
「Meiryo」の場合は半角文字の横幅が広く「全角1文字=半角2文字」ではありません。



そのため、ウディタ[3.00]以前に作られたコモン素材では、
「MS ゴシック」に合わせて表示位置などが設定されているため、
「Meiryo」で使用すると文字が重なって表示されるような不具合が発生する可能性があります。
2023年9月上旬 ウディタ[3.17]が公開された辺りで、
フォルダー[Data]にある素材ファイルのファイル名が変わりました。
[Attack]Beat01_panop.png
Attack_Beat01_panop.png
古いファイル名が設定されている古いコモン素材を使う場合は、ファイル名の修正が必要です。
2025年1月18日 この日にウディタ[3.500]が公開されました。
ピクチャ番号[-1以下]の仕様が変わったため、
ピクチャ番号[-1以下]を使用する古いコモン素材では、うまく動作しない可能性があります。



▼コモンイベントのバグ修正に関して

ウディタがバージョンアップする際、コモンイベントのバグが修正される事があります。

▼ウディタ[2.22]の更新時にバグが修正された一例


古いコモン素材では、バグを修正する前の古いコモンイベントを使っている事があるため、
古いコモン素材にあるコモンイベントを読み込む事で、修正されていたバグが再発する事があります。

このような場合は、修正されたコモンイベントにある修正用のイベントコマンドをコピーし、
コモン素材にあるコモンイベントに貼り付けて修正するような作業を、コモン素材利用者自らが行う必要があります。


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■補足

基本システムでは、システムDB[14〜23]通常変数予備変数
システムDB[4:文字列変数名]文字列変数使用していません。

コモンイベント同士の変数のやり取りは「入力の数 / 結果を返す」を使ったり、可変DBを使ったりしています。



基本システムでは、ピクチャ番号「10000〜19999」を使っています。

そのため、メニュ画面や戦闘画面を表示している時に何らかのピクチャを表示する場合は、
ピクチャ番号「10000〜19999」以外を使ってピクチャを表示してください。

【基本システムで使用しているピクチャ番号の紹介ページを見る】



ウディタ[2.20]で新しいゲーム画面のサイズが加わるなどの仕様の変更があった関係で、
いくつかのコモンイベントにはバージョン[2.20]以降の対応した設定[2.20]以前に対応した設定があり、
同じような設定が二重に設定されている事があります。



コモンイベントの処理では、ユーザーDB可変DB項目名を指定してイベントを処理している事があります。

そのため、ユーザーDB可変DB項目名を変えるエラーが発生する可能性があります。

▼項目名は初期設定のままにしてください


新たな項目を追加する時には、ユーザーDB[0:技能]なら項目名37以降
可変DB[0:主人公ステータス]なら項目名59以降と言ったように、後ろに追加する形で項目を追加してください。
既存の項目の間に追加すると、正常に動かなくなる可能性があります。

またデータベース内に「この項目は使わない」と思った項目があったとしても、削除せずにそのままにしてください。
削除するとエラーが発生します。


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◎関連ページ

◆「基本システム」って何?
┣◆コモンイベントの一覧と補足説明
┣◆基本システムで使用しているピクチャ番号
┣◆メニュー画面の処理構造
┗◆戦闘処理の処理構造

◆エンカウントで敵を出現

◆万能ウィンドウについて
┗◆万能ウィンドウの設定例

◆[戦闘画面]敵キャラの表示設定について
┗◆[戦闘改造]敵キャラの表示位置を移動&主人公画面の後ろに表示

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